滞納処分から身を守る法

全国商工新聞 2006年4月10日(月曜日)版 一面から抜粋
『滞納処分から身を守る法』

全国で税務署による税金の厳しい取り立てが相次ぎ、消費税の転嫁ができず、多くの中小業者が「食えば払えず、払えば食えず」と悩んでいます。民主商工会(民商)の仲間と相談しながら、日本国憲法に保障された権利を主張し、人権無視の徴税に対処する為の「滞納処分から身を守る法」を学んで大いに活用しましょう。(関連記事2面

1,滞納を恥じない、書類は捨てない、あきらめない
 滞納は「自分が悪い」「恥ずかしい」と思いがちです。日本国憲法は、「生活費に税金をかけてはならない」「能力に応じて公平に負担する」ことを原則にしています。滞納はこの原則に外れた税制に責任があります。 税務署から届いた督促状など放置せず、また、決してあきらめず、納税者の権利を堂々と主張しましょう。

2,積極的に「納税の猶予」の申請を
 民商の仲間ともよく相談し、商売の見通しを立て無理のない毎月の支払い可能な金額で仲間と一緒に交渉しましょう。その場合「納税の猶予」(国税通則法46条)を積極的に申請し主張しましょう。認められれば財産は差し押さえられません。差し押さえられている場合でも解除を申請できます。また、1年以内の分割納付も可能です。
 「納税の猶予」の要件は次の経済的事情も該当します。具体的な理由を「納税の猶予申請書」に記入し交渉しましょう。
※通則法46条2項 納税の猶予の要件(五)ー「親会社からの発注の減少」「市場の悪化(略)」「やむを得ない事由により、従前に比べ事業の操業度の低下又は売上げの減少等の影響」などです(国税通則法精解より)。

3,担保に先日付小切手は絶対切らない
 税務署は、分割回数を制限したり、先日付(さきひづけ)小切手を切らせるなど、無理な支払いを迫ってきます。
国税庁は「先日付小切手の委託を強要するような事はしない」(05年3月15日、衆院財務金融委員会、佐々木憲昭議員への回答)としています。先日付小切手はきっぱりと断りましょう。

4,差し押さえ物件の処分には「換価の猶予」や財産の「差し押さえの猶予」を
 税務署の差し押さえ物件の「換価」(=処分すること)をやめさせることができるのが「換価の猶予」(国税徴収法151条)です。 同法は「納税者の事業の継続、生活の維持を困難にする恐れがある財産の差し押さえを猶予し、又は解除する事ができる」としています。 分割納付も可能。 請願書も出して交渉を。

5,高すぎる延滞税は免除するのが当然です
 延滞税(年14.6%)はサラ金並みの高金利です。
 「納税の猶予」の申請と会わせ、延滞税の免除も主張しましょう。猶予措置が認められると、延滞税は4.1%以下になり全額を免除させる事もできます(通則法63条)。

6,滞納税金がどうしても払えない時は「滞納処分の執行停止」を
 「どこをどうやっても払えないが、何とか商売を続けたい」ときは、「滞納処分の執行停止」(徴収法153条)を主張しましょう。同法は「納税者に滞納処分となる財産がないか、滞納処分によって滞納者の生活を著しく窮迫させる恐れがある」場合に適用されます。請願書などの文書にし、必死で主張しましょう。
※「生活を著しく窮迫させる恐れがある」場合とは、「滞納処分をすると生活保護の適用を受けなければ生活を維持できないと認められる程度を言う」(税務大学校教科書『税大講本』)としています。 生活保護法は第1条で「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し(略)最低限度の生活を保障する」と明快です。

7,3年間「執行停止」すれば、税金は消滅する
 「滞納処分の執行停止」が3年間継続すると自動的に、租税の納税義務は消滅します(徴収法153条4項)。 また、税務署長は、国税を徴収する事ができない事が明らかである場合は、直ちに納付義務を消滅させる事ができます。(徴収法153条5項)。
 秋田・本荘民商の会員は昨年12月、3年分の消費税44万円余を「滞納処分の執行停止」で消滅させました(別項と2面参照)。

8,居住用や生産活動の場としての家や土地(生存的財産)は、「財産権は、これを侵してはならない」とする憲法に基づき保証される
 憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と国民の生存権を保証しています。 生存権的財産である家や土地への差し押さえや滞納処分は、憲法29条の財産権の侵害です。
 商売の息の根を止める売掛金や生命保険への差し押さえ・滞納処分はやめさせましょう。

ー>2面へ行く

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